眼瞼けいれんボツリヌス治療 ゼオマインについて
こんにちは!
本日は当院でも多くの患者様が治療されている、眼瞼けいれんの新しい治療薬についてのお話しです。
眼瞼けいれんとは
両目の周りの筋肉が、自分の意思とは関係なく、筋肉がけいれんし、ぴくぴくする病気です。
要な瞬目(まばたき)が増え、自由に目を開けにくくなるため、しょぼしょぼしたり、不快感を感じます。
時にドライアイに似た「まぶしい」「かわいた感じがする」という症状が現れることもあります。
症状はドライアイに似ていますが、ドライアイの治療をしても改善しません。症状が進行すると、瞼が下がってきたり、さらに全く眼を開けていられない状態となります。
原因は完全に解明されていませんが、大脳の一部が機能障害を起こしている、特定薬剤の副作用、ストレスなどが考えられています。
(片側の顔面のみにおこるけいれんは「顔面けいれん」というもので、眼瞼けいれんとは異なる病気になります。
詳しくはこちら)
ボツリヌス治療について
ボツリヌス治療は、ボツリヌス菌が産生するA型ボツリヌス毒素を、症状が出ている筋肉に直接注射する治療です。
ボツリヌス毒素は、神経と筋肉の接合部(神経筋接合部)に作用し、神経伝達物質(アセチルコリン)の放出を一時的に抑制することで、筋肉の過剰な収縮をやわらげます。
「毒素」という言葉から怖いイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、治療に用いる量は非常に少量で、局所的に作用するため全身に影響が及ぶことはほとんどありません。
1970年代から眼科領域で使用が始まり、現在では世界中で広く行われている確立した治療法です。
日本でボツリヌス治療に使用できるA型ボツリヌス毒素製剤として、現在主に2種類があります。ボトックスとゼオマインです。
ボトックスは1990年代から日本で使用されており、最も長い実績を持つ製剤です。以前から、眼科領域では眼瞼けいれん・顔面けいれんに保険適用があります。
有効成分の神経毒素に加えて、複合タンパク質(ヘマグルチニンなど)を含んでいます。
ゼオマインは2020年に日本で承認された製剤です。
最大の特徴は、複合タンパク質を取り除き、神経毒素のみを高純度に精製した「ピュアトキシン」である点です。
2026年6月には新たに眼瞼けいれんへ保険適用が追加されました。(顔面けいれんへの保険適用は現時点ではありません。)

両製剤の最も重要な違いは、複合タンパク質の有無です。ボツリヌス治療を長期・繰り返し行うと、複合タンパク質に対する中和抗体が産生されることがあります。
中和抗体が産生されると、製剤の効果が徐々に減弱する(効かなくなる)ことがあります。
ゼオマインは複合タンパク質を含まないため、長期投与においても安定した効果が期待できます。
しかも、ゼオマインはボトックスの約60%の薬価で、患者さんの自己負担の軽減にもつながります。
薬剤費の比較
ボトックス ゼオマイン
1割 3570円 2090円
2割 7140円 4170円
3割 10720円 6260円
まとめ
新しく眼瞼けいれんに保険適応となったゼオマインは、複合タンパクがなく長期間効果減弱の可能性が少ないうえに
費用も抑えられるという点で、患者様にとってメリットの大きい薬剤だと思います。
ただ、ボトックスで安定した効果が得られている方が無理に切り替える必要はなく、主治医と相談の上で判断することが重要です。
顔面けいれんには現在保険適応はありませんのでご注意ください。
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【監修】
神戸市東灘区御影中町1丁目6−9ウエダビル2,3階
森井眼科クリニック
院長 森井香織
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