JSCRS学会報告その4 今後発売予定の多焦点眼内レンズ
こんにちは!
今回はJSCRS学会報告その3として、今後日本で発売予定の多焦点眼内レンズについてです。
わかもと製薬 Acriva Trinova
わかもと製薬株式会社 は、VSY Biotechnology GmbH(本社:ドイツ、Managing Director: Andreas Kuehnel)社性の多焦点眼内レンズ(開発コード:WP-2011)の国内製造販売承認を昨年12月を申請しました。
こちらの製品は、販売名がAcriva Trinovaという名前で、自由診療で使用されているクリニックもあります。
このレンズは、回折型の3焦点眼内レンズです。
レンズの表面が独自のなめらかな形状による回折構造になっているそうで、ハローやグレア、スターバーストが少なく、夜間の光のにじみやまぶしさが抑えられることが期待されます。
Acriva Trinovaはステップのない回折ゾーンによって光のロスを最小限に抑えており、光透過率が92%になります。光透過率が高いほど、それぞれの焦点に使用される光の量が増えますので、他のレンズより、コントラストの改善が期待できるかもしれません。
AMO Odyssey
本年2月に、AMO社が日本で販売承認を取得した眼内レンズで、日本での販売名称は「テクニス オデッセイ TVB Simplicity」です。
連続焦点として現在販売されているシナジーというレンズの後継バージョンになります。
シナジーは、その回折設計から、グレア、ハローが強く、夜間運転をする患者さんには挿入しずらい眼内レンズでしたが
今回の改良によってその程度が改善しているとよいなあと思います。
まだ詳しくはわかりませんので、回折構造について詳細がわかりましたらお知らせしていきます。
多焦点レンズの現在の状況
世界的な多焦点レンズの流行ですが、現在挿入されている多焦点眼内レンズの40%が3焦点眼内レンズ、40%がenhanced monofocal 眼内レンズ、と言われています。
多焦点眼内レンズは、焦点を得るため光を複数に分けます。その結果、コントラスト感度の低下(画質の低下)や、グレア、ハローなどの不快症状が発生します。
そのため、回折レンズではない、ベースが単焦点眼内レンズで、それに球面収差を負荷したenhanced monofocal 眼内レンズが増えてきています。
次回のブログで、そのenhanced momofocal 眼内レンズと、3焦点眼内レンズをうまく利用した、新しい挿入方法についてご紹介いたします。
こうご期待!
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【監修】
神戸市東灘区御影中町1丁目6−9ウエダビル2,3階
森井眼科クリニック
院長 森井香織
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