3焦点眼内レンズ PanOpticsⓇについて
- 2025年7月19日
- 白内障
3焦点眼内レンズ PanOptix®
Clareon® PanOptix®は、アルコン社が誇る先進技術を搭載したトリフォーカル(3焦点)タイプの眼内レンズです。
このレンズの特徴を説明いたします。
ENLIGHTEN™ 光学テクノロジー
あらゆる距離での優れた視力(全距離視力)
-
- 独自のENLIGHTEN™ 光学テクノロジーにより、白内障術後に遠方から近方までの良好な視力を提供します。
- このテクノロジーは、遠方視の見え方の質を向上させつつ、快適な中間・近方視力を提供するように設計されています。
- 遠方・中間・近方のいずれの距離でも、おおよそ1.0†に近いクリアな視力をもたらすことが臨床試験で実証されています。特に遠方から近方33cmまであらゆる距離で優れた見え方を提供します。
- 60cmの快適な中間焦点距離を実現しており、これはノートパソコンやタブレット端末での作業に適したクリアな視界を提供します。従来の3焦点レンズの中間焦点7~80cmより実用的な距離といえます。
光学的特性
-
- 光を遠方50%、中間25%、近方25%の割合で配分しています。
- 3mm瞳孔径において88%という高い光利用率を実現しています。
- レンズ中央4.5mmに回折領域レンズ中央に回折構造を作成、周辺は単焦点ゾーンで、瞳孔が開く夜間の不快な症状が軽減される設計となっています。
多焦点眼内レンズで懸念される光の「にじみ(グレア)」や「ぼやけ(ハロー)」といった視覚現象を最小限に抑える設計といえます。
術後の見え方の特徴
-
高い眼鏡からの解放率
- PanOptix®をインプラントした患者様の96%が眼鏡から解放されたと報告されています。
- これは、遠方(96%)、中間(96%)、近方(90%)のいずれの距離でも高い眼鏡非依存率を示しています。
- 薄暗い環境でも、遠距離(94%)、中距離(94%)、近距離(83%)の作業において、高い割合で眼鏡を必要としなかったと報告されています。
-
視覚障害(グレア・ハローなど)の低減
- レンズ中央4.5mmに回折領域レンズ中央に回折構造を作成、周辺は単焦点ゾーンで、瞳孔が開く夜間の不快な症状が軽減される設計となっています。
- 多焦点眼内レンズで懸念される光の「にじみ(グレア)」や「ぼやけ(ハロー)」といった視覚現象を最小限に抑えるよう設計されています。
- グレアを「とても気になる」と報告した患者様は1.6%、ハローは2.4%、スターバーストは4.8%との報告です。
- 術後のハローについて、**半数以上(51.2%)**の患者様が「全く気にならない」と回答しています。
- 他社AのIOLと比較して、グレアやハローの強度が20%以上小さいことが示されており、他社Bと比較してもグレア・ハローを訴える患者様が少ない傾向を示しました
権威ある賞の受賞
-
- 医療機器開発における「ノーベル賞」に相当するとされる**『Prix Galien(プリ・ガリアン)賞』USA 2021 for Best Medical Technologyを受賞しています。
- 受賞理由は、独自のENLIGHTEN光学テクノロジーにより、白内障術後に遠方から近方までの良好な視力を提供したためとされています。
夜間の運転時のグレアハローを抑える、回折構造が中央4.5mmのみの3焦点眼内レンズです。
また、焦点距離が、実際の良く使用する距離になるよう、回折構造を2つ組み合わせるといった、工夫がされています。
3焦点眼内レンズで、世界的に一番多く挿入されているレンズです。
夜間運転されるかたで、多焦点眼内レンズをご希望の方は、検討レンズの一つに入れてもよいのではないでしょうか。
+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-+:-+:-+:-+:-+:+:+:+:+:+:+
【監修】
神戸市東灘区御影中町1丁目6−9ウエダビル2,3階
森井眼科クリニック
院長 森井香織
→院長の紹介はこちら🐸!
:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-+:-+:-+:-+:-+:+:+:+:+:+:+: