緑内障にビタミンB3(ナイアシン)は効果あり?
- 2024年12月7日
- 緑内障
こんにちは!
今回も、11月に行われた日本臨床眼科学会総会の特別講演で聴講した緑内障の話題です。
緑内障にビタミンB3が効果あり???
ビタミンB3(ナイアシン、またはニコチンアミド)は、ビタミンBの中の一つの成分です。
ビタミンB群の一種であるナイアシンは、私たちの体の中でエネルギーを作り出す際に必要な酵素の働きを助けてくれます。
私たちの体を健康的に保つためには、酵素の働きが欠かせません。
ナイアシンを摂取することで、体内の酵素を活性化させてくれる補酵素として活躍してくれる、重要なビタミンです。
以前から美容やダイエットには重要とされていましたが、
最近、緑内障の進行を遅らせる可能性があるといわれる研究が増えています。
緑内障とビタミンB3の関係の研究
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動物モデルでの研究
マウスを対象とした研究では、ビタミンB3が視神経の健康を維持し、緑内障の進行を遅らせる可能性が示されています。
ビタミンB3はミトコンドリア機能をサポートし、酸化ストレスやエネルギー代謝異常から神経細胞を保護する作用があるとされています。 -
ヒトへの応用
一部の臨床研究では、ナイアシンまたはナイアシンアミドの補給が視神経保護に役立つ可能性を示唆しています。
これらの研究は初期段階にとどまっており、効果や安全性を確立するためにはさらに大規模で長期的な研究が必要です。摂取することで緑内障の進行を抑制する効果があるかもしれない、というレベルの報告ですが
今後研究が進んでいくと、はっきりしたエビデンスが得られるかもしれません。
ビタミンB3が多く含まれる食品って?
緑内障の進行抑制に効果があるかもしれないなら、ぜひ取り入れたい!と考えても、どんな食べ物に含まれるかよくわからないですよね。
ビタミンCならレモン、みたいなイメージがないのがビタミンB3です。
ビタミンB3(ナイアシン)が豊富に含まれる食品には、以下のようなものがあります。
これらを食事に取り入れることで、自然な形でビタミンB3を摂取できます。
1. 肉類と魚介類
- 鶏むね肉
特にグリルやローストした鶏肉にはナイアシンが豊富に含まれています。 - レバー
鶏や牛のレバーはビタミンB3の非常に良い供給源です。 - 魚類
サバ、ツナ、サケなど脂肪が多い魚に多く含まれます。
2. 植物性食品
- 全粒穀物
オートミール、玄米、全粒粉パンなどに多く含まれます。 - ナッツと種子
アーモンド、ヒマワリの種、ピーナッツ(ピーナッツバターを含む)などにも多いです。 - 豆類
レンズ豆や黒目豆(ブラックアイピー)、枝豆なども多いそうです。お酒のあて?みたいなイメージ???
3. 乳製品と卵
- 牛乳
ビタミンB3を少量ながら含んでおり(1カップ(200ml)で約0.2~0.5mg。)、日常的に摂取しやすい食品です。 - 卵
特に黄身部分に含まれています(1個で約0.1~0.3mg)。
ビタミンB3の目安摂取量
成人の推奨摂取量(日本人の食事摂取基準)は、以下の通りとのことです。
- 男性:15 mg/日
- 女性:12 mg/日
上記のような食物を含めて、バランスの良い食事を心がけることで、自然に必要量を満たすことが可能です。
ビタミンB3を含むサプリメント
手軽にサプリメントで摂取したい!と思われる方もいおらっしゃると思います。
ビタミンB3(ナイアシン、またはニコチンアミド)が摂取できるサプリメントを選ぶ際には、以下のポイントを調べました。
選び方のポイント
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目的に合った形状を選ぶ
ナイアシン(ニコチン酸):コレステロール値改善や血管拡張作用を期待する場合に適しています。
ただし、高用量での摂取は「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれる皮膚の赤みやかゆみを引き起こす可能性がありますので注意が必要です。ナイアシンアミド(ニコチンアミド):神経保護や美容目的の場合におすすめ。ナイアシンフラッシュが起こりにくいそうです。
緑内障進行予防だったら、ナイアシンアミドのほうがよさそうですね。 -
用量を確認
1日の推奨摂取量(成人の場合、12~15mg)を考慮し、過剰摂取を避けましょう。
過剰摂取のリスク:1日あたり500mg以上の長期摂取は、肝臓への負担や胃腸障害を引き起こす可能性があります! -
信頼できるブランドを選ぶ
品質管理が徹底されたブランドを選び、製品が第三者機関でテストされているものが望ましいと思います。
まとめ
ビタミンB3は緑内障の進行抑制に有望な可能性があるものの、現在のところは補助的なアプローチとしての位置づけです。
緑内障は、眼圧の管理が治療の基本です。
薬物療法や手術などの治療を最優先に行い、ビタミンB3のような補助的な方法はその補完的な手段として考えてください。
ご興味のある方も、サプリメントなど高用量のものを使用を考えられる場合には、事前に主治医の先生とご相談ください。
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【監修】
神戸市東灘区御影中町1丁目6−9ウエダビル2,3階
森井眼科クリニック
院長 森井香織
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