眼圧と角膜厚の関係
- 2024年12月9日
- 緑内障
こんにちは!緑内障のお話しの続きになります。
緑内障患者さんの治療の一番大切な部分は「眼圧コントロール」です。
しかしその眼圧は正確なのか?というお話しです。
眼圧とは
眼圧(眼球内圧、IOP)は、眼球の内部にかかる圧力を測定したもので、眼科診療では緑内障などの診断や管理に重要です。
眼球内を満たしている房水という液体が一定の圧力を保ちながら循環することで、眼球は球状を保ち、水風船のように弾力があります。
眼圧の正常値は一般的に10~21mmHgです。
眼圧が基準値を超えると緑内障の可能性が高まりますが、眼圧が正常値内でも緑内障を発症するケースもあります。
なぜ角膜厚補正が必要か?
眼圧の測定値は角膜の厚さによって影響を受けるため、正確な眼圧を得るためには角膜厚補正が必要になる場合があります。
- 角膜が厚い場合:角膜が通常よりも厚いと、眼圧測定値が実際よりも高く出ることがあります。これは、厚い角膜がトノメーター(眼圧計)の圧力に対してより抵抗を示すためです。
- 角膜が薄い場合:逆に、角膜が薄いと、眼圧測定値が実際よりも低く出ます。LASIK手術などをされている方は、角膜が通常よりかなり薄くなっていますので 角膜補正が必要です!
補正方法について
角膜厚補正は、角膜の厚さに応じて眼圧測定値を調整する方法です。
補正にはいくつかの方法があり、一般的には次のような手順で行います。
-
角膜厚の測定:角膜の中央部分の厚さを測定します。通常、角膜厚は約520〜540μm(マイクロメートル)とされています。当院では「前眼部OCT CASIA2(TOMEY)」という、角膜形状解析も行える精密な機器で測定を行います。
-
補正の計算:測定された角膜厚に基づいて、眼圧を補正します。補正にはさまざまな計算式がありますが、代表的なものとしては「Ehlersの補正式」や「Orssengo-Pye式」が使われます。当院では「Ehlersの補正式」を使用しています。
-
補正眼圧の確認:補正後の眼圧が、治療や診断に適切であるかを確認します。
まとめ
角膜厚補正は、正確な眼圧測定を行うために重要な手法であり、特に緑内障の診断や管理において欠かせません。
LASIK術後などで角膜厚が標準から大きく外れている場合には、補正した眼圧を考慮し治療を行う必要があります。
また逆に、高眼圧とされている方も、生まれつき角膜厚が分厚いのかもしれません。
角膜厚を測定する機器があるクリニックは限られていますが、とても大切なので一度主治医の先生に相談してみてくださいね。
:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-+:-+:-+:-+:-+:+:+:+:+:+:+
【監修】
神戸市東灘区御影中町1丁目6−9ウエダビル2,3階
森井眼科クリニック
院長 森井香織
→院長の紹介はこちら🐸!
:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-+:-+:-+:-+:-+:+:+:+:+:+:+: