焦点深度拡張型眼内レンズ Vivity|医療法人 森井眼科クリニック|神戸市東灘区御影駅前

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    焦点深度拡張型眼内レンズ Vivity|医療法人 森井眼科クリニック|神戸市東灘区御影駅前

    焦点深度拡張型眼内レンズ Vivity

    こんにちは。本日は焦点深度拡張型眼内レンズ Vivityについてです。

    Vivity®(ビビティ)

    アルコン社から発売されている「Vivity®(ビビティ)」は、最近はやりの「焦点深度拡張型眼内レンズ」に分類されます。
    光学的な特徴を説明します。

    1. Vivity®レンズって、どんな眼内レンズ?

    Vivity®は、「焦点深度拡張型」(Extended Depth of Focus: EDOF)と呼ばれる新しいタイプの眼内レンズです。
    このレンズは、遠方から中間、そして実用的な近方(70cm)まで、ピントが合う範囲を広げてくれるのが大きな特徴です。

    2. Vivity®レンズの「見える」を支える特別な技術:X-WAVE™テクノロジー

    Vivity®レンズの「見える」を可能にしているのは、アルコン独自の「X-WAVE™(エックスウェーブ)テクノロジー」です。これは、光の波面を特殊な方法でコントロールする、画期的な技術で、単焦点眼内レンズの中央2.2mmの領域に設計されています。

    X-WAVE™テクノロジーは、光を分割することなく、波面を引き伸ばし、同時にシフトさせることで焦点深度を拡張します。これにより、遠方から近方70㎝まで途切れることなく光が網膜に届き、連続的に拡張された焦点が作り出されます。

    具体的には、レンズの表面にはごくわずかな2つの波面制御領域があります:

    • 波面制御領域 #1: 約1マイクロメートルのわずかな隆起があり、これが波面を引き伸ばし、連続的に拡張させた焦点を作り出します
    • 波面制御領域 #2: 直径2.2ミリメートルの領域で、わずかに曲率を変化させることで波面をシフトさせ、光のエネルギーを有効に活用します

    先行する波面と遅延する波面が同時に協調的に働くことで、連続的に焦点を拡張する技術が、このX-WAVE™テクノロジーなのです。

    Vivity®は、非球面眼内レンズの光学設計で、レンズ前面には-0.20 µmの角膜球面収差補正が施されています。
    この値は大きすぎず、小さすぎず、多くの患者さんの適応になると思います。

    3. Vivity®レンズの見え方の特徴

    Vivity®レンズは、単焦点眼内レンズをベースにした焦点深度拡張型レンズになりますので以下のような特徴があります。

    • 単焦点レンズと同程度の優れた遠方視力を提供しながら、良好な中間視が得られます。大規模な臨床試験では、Vivity®を装用した患者さんの両眼遠方裸眼視力は1.0以上、両眼中間裸眼視力(66cm)は0.8以上、両眼近方裸眼視力(40cm)は0.6以上という結果が示されています。パソコン作業や料理、車の運転など、様々なシーンで快適な視界が得られることを意味します。ただし、日本人は手が短く、近くの作業距離が短い方も多いので、近い距離は眼鏡が必要なことも多いです。

    • グレア・ハローの軽減 :Vivity®は、焦点深度を拡張しながらも、見え方の質を高く保つように設計されています。これは単焦点眼内レンズをベースにした眼内レンズだからです。従来の回折型多焦点レンズでは必発である「まぶしさやハロー・グレアなどの光のぎらつき」が、単焦点レンズと同程度になっており、夜間の運転などが多い方に適したレンズだと思います。
      光学シミュレーションでも、Vivity®のグレアハローは単焦点レンズと同程度であることが示されています。

    Vivity®は、これまで従来の多焦点レンズの選択に躊躇していた患者さんに新しい選択肢を提供するために開発されました。
    例えば、神経質な性格の方夜間に運転する機会が多い方、あるいは緑内障などの様々な眼の疾患がある方でも、Vivity®であれば適応となる可能性があります。回折型3焦点眼内レンズのAlcon PanOptix®(パンオプティクス)は、近方での眼鏡依存度は確実に少なくなりますが、夜間の運転時のグレア・ハローはありますし、それぞれの見る光の配分が少なくなるため、緑内障や網膜疾患のある方には挿入ができませんでした。
    Vivity®は「実用的な近方視」を求める方や、夜間の運転や特定の眼の状態により従来の多焦点レンズを避けていた方に向いていますが、眼鏡が全く不要になるわけではありません。

    Vivity®レンズは、独自のX-WAVE™テクノロジーにより、遠方から実用的な近方まで、連続的で自然な見え方を提供します。見え方の質にもこだわりたい方や、従来の多焦点レンズが合わないとされてきた方にも、安心して選んでいただける選択肢です。

     

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    【監修】

    神戸市東灘区御影中町1丁目6−9ウエダビル2,3階
    森井眼科クリニック
    院長 森井香織
    →院長の紹介はこちら🐸!
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