焦点深度拡張型眼内レンズ Puresee と Eyhance|医療法人 森井眼科クリニック|神戸市東灘区御影駅前

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    焦点深度拡張型眼内レンズ Puresee と Eyhance|医療法人 森井眼科クリニック|神戸市東灘区御影駅前

    焦点深度拡張型眼内レンズ Puresee と Eyhance

    本日は、AMO社から発売されている、Enhanced monofocal眼内レンズである「PureSee」レンズと「Eyhance」レンズについてのお話です

    TECNIS PureSee™ :焦点深度拡張型IOL 

    PureSeeレンズは、TECNIS PureSee™焦点深度拡張型IOLと呼ばれる種類の眼内レンズです。
    このレンズは、遠方だけでなく、中間距離、さらには日常生活で必要となる近方視力まで、より広い範囲で鮮明な見え方を提供することを目指して開発されています

     

    PureSeeレンズの主な特徴

    • Purely Refractive Design (非回折デザイン): PureSeeレンズは、光を連続的に変化させる独自の屈折テクノロジーを採用しています。この非回折デザインとは、眼内レンズ中央に屈折度数を加入した、というものです。このデザインが、眼内レンズ後面に設計されています。

    • 回折型多焦点眼内レンズではなく、単焦点眼内レンズの中央に度数が加入されており、夜間の光視症(ハロー、グレア、スターバーストなど)の少ない自然な見え方となります。
    • 幅広い視力範囲の提供: 遠方、中間、そして日常生活で必要な近方50cmまで、見える範囲をカバーすることができます。
    • 乱視矯正モデルがある: 乱視をお持ちの患者さん向けに、乱視矯正タイプも提供されています。このToricモデルには、眼内での回転を抑えるための「フロストループ」という設計が採用されています。
    • このレンズは「選定療養」対象眼内レンズで、手術費用のほかに別途レンズ代が必要になります。

    TECNIS Eyhance™ IOL 

    Eyhanceレンズは、「新しいコンセプトの単焦点IOL」です。遠方視力を維持しながら、中間距離70㎝までの見え方も改善することを目的としています。

     

    Eyhanceレンズの主な特徴:

    • 高次の非球面構造: レンズの中心部分で連続的にパワーを増加させる高次非球面構造を、眼内レンズ前面に設計されています。これは、単焦点眼内レンズ中央のわずかな範囲に、屈折度数を加入している、ということです。遠方視力を良好に保ちつつ、なだらかな焦点深度曲線を実現します
    • 高いコントラスト感度と夜間光視症の抑制: 単焦点眼内レンズですので、薄暗い環境下でも高いコントラスト感度を維持するとともに、夜間のハロー、グレアはありません。
    • 乱視矯正モデルの選択肢: 乱視矯正タイプも提供されていますこちらも「フロストループ」が採用されており、術後の位置安定性が期待されます。
    • このレンズは「保険適応」のレンズで、別途費用はかかりません。

    PureSeeとEyhanceの比較

    PureSeeとEyhanceは、どちらも視覚の質を高めることを目的とした眼内レンズですが、いくつかの重要な共通点と違いがあります。

    • 焦点深度の拡張アプローチ:
      • PureSeeは、より広い範囲の視力(遠方、中間、日常生活に必要な近方)をカバーする「焦点深度拡張型IOL (EDOF)」で、50㎝までの見え方をカバーします。
      • Eyhanceは「新しいコンセプトの単焦点IOL」とされますが、Pureseeと加入度数・加入設計範囲の違いで、中間70㎝までの距離の見え方を改善する「なだらかな焦点深度」です両者ともにレンズのパワーを連続的に変化させる独自の屈折面を持っていますが、少し設計が異なり、焦点の幅が異なっています。
    • コントラスト感度:
      • PureSeeは、TECNIS Eyhance™と同等のコントラストレベルを提供することが報告されています。これは、両方のレンズが非常に高いレベルのコントラスト感度を目指していることを示しています。
    • 夜間光視症プロファイル:
      • 両レンズともに、従来の単焦点レンズと比較して夜間光視症の発生を抑えます。ベースが単焦点眼内レンズですので当然の結果ですが、とても重要なことだと思います。
    • どちらの眼内レンズも、AMO特有の透明度が維持されるアクリル素材で、後発白内障の起こりにくい光学デザインです。しっかりくっきり画質のAMOならではの素材です。
    • 両レンズとも、角膜球面収差補正値は大きいです。角膜球面収差が大きい方にはよいのですが、小さい方には過矯正となる可能性ありますので、術前の角膜球面収差により選択できるかがきまります。

    より手前まで、自然な見え方がご希望ならPuresee、ただし選定療養眼内レンズなので費用が別途かかります。
    70㎝くらいまでの自然な見え方で、手元は老眼鏡でよいよ!という方はアイハンス、でしょうか。
    主治医の先生としっかり相談して、最適な眼内レンズ選択をしましょう!

     

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    【監修】

    神戸市東灘区御影中町1丁目6−9ウエダビル2,3階
    森井眼科クリニック
    院長 森井香織
    →院長の紹介はこちら🐸!
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