後天性眼瞼下垂治療薬・オキシメタゾリン塩酸塩を承認申請
- 2025年2月21日
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こんにちは!
本日は、いままで「手術」しかなかった眼瞼下垂の治療に、新しい「点眼治療」が増えるというニュースをご紹介いたします。
眼瞼下垂に点眼治療!
2024年12月、参天製薬が眼瞼下垂治療薬・オキシメタゾリン塩酸塩(開発コード: STN1013800)を承認申請したと発表しました。
眼瞼下垂とは、何らかの原因により上眼瞼が下がり、ものが見にくくなる状態です。
一般的には加齢により、瞼を挙げる「眼瞼挙筋」という筋肉が弱ってしまい、
瞼が十分に上げられなくなる状態です。
コンタクトレンズを長年使用していると、なりやすいといわれています。
症状は上方視野の見えにくさや肩こり、頭痛などで、生活の質の低下を招きます。
軽度であれば経過観察になります。場合によっては「アイプチ」と呼ばれる「のり」のようなもので瞼を挙げて生活している方も多いですが
「のり」の成分で瞼がただれる、アレルギー性結膜炎が生じるなど、万能ではありません。
中程度以上で生活に支障が出た場合には、治療は手術となります。
眼瞼下垂治療薬 オキシメタゾリンとは??
眼科で散瞳検査をしたことがある方は「そういえば」と思われるかもしれませんが、
散瞳薬を使用すると、しばらくの間瞼が上がって、ぱっちりお目めになります。
散瞳薬を使うと、目の瞳(ひとみ)が大きくなるだけでなく、瞼の筋肉(眼瞼挙筋やミュラー筋)も影響を受けるのです。
🔍 簡単に言うと…
瞳を広げる「交感神経」(興奮や緊張に関して)
その結果、まぶたが普段より少し上がって開けるようになる
💡 こんなイメージ
散瞳薬は「目をパッチリさせる神経」にスイッチを入れるようなものです。
その効果を利用したものが今回の点眼薬になります。
オキシメタゾリンは上眼瞼の挙上に関わる筋組織のうち、ミュラー筋のαアドレナリン受容体に作用し、
ミュラー筋を収縮させることにより、上眼瞼を拳上させるそうです。
国内での臨床試験では1日1回点眼及び1日2回点眼の有効性及び安全性を評価、検証し、有効性が確認されたため、承認申請となりました。
ただ、副作用報告などはまだ開示されていないので、「散瞳」してしまうのか?他に影響はないのか?わからない部分も多いです。
日本で承認されている眼瞼下垂の治療法は手術のみですし、
手術は術後の合併症など様々なリスクもあります。
特に軽度の患者さんで、生活に支障がある場合の診断・治療薬として期待が持てます。
まだ承認申請の段階ですので、続報が入りましたらお知らせいたします!
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【監修】
神戸市東灘区御影中町1丁目6−9ウエダビル2,3階
森井眼科クリニック
院長 森井香織
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