オルソケラトロジーと近視抑制効果
- 2025年1月9日
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明けましておめでとうございます。
本年も皆さんの眼の健康のためにスタッフ一同努力したいと思います。
新年からオルソケラトロジー希望の子供さんが数名受診されました。
新しい年に、新しいことを始めたい!と思いますよね。
今回はそのオルソケラトロジーのお話しです。
オルソケラトロジーとは
オルソケラトロジー(Orthokeratology)は、特殊な形状を持つ硬性ガス透過性(RGP)コンタクトレンズを夜間装用することで、角膜の形状を一時的に矯正し、近視や軽度の乱視を改善する視力矯正方法です。また、近年では近視進行の抑制効果が注目されています。
オルソケラトロジーの仕組み
- 角膜形状の矯正
夜間に装用する特殊なレンズが角膜の中央部分を圧迫し、角膜の形状を平坦化します。この矯正効果により、眼内に届く光の距離が延び、日中は裸眼での視力が向上します。
矯正効果は一時的で、レンズの使用を中断すると角膜が元の形状に戻ります。そのため、毎晩の装用が必要です。
近視抑制効果
オルソケラトロジーは、特に子供や若年層において近視進行を抑制する効果があるとされています。
- 周辺網膜のデフォーカス効果
レンズ装用後、角膜形状の変化により、中心部の視力矯正だけでなく、周辺網膜の焦点が網膜の前に移動することで、眼軸の伸長(近視進行の原因)が抑制されると考えられています。
いくつかの研究では、オルソケラトロジーが眼軸の伸長を約30~50%抑制する可能性が示されています。ただし、効果は個人差があり、近視進行を完全に防ぐことはできません。
適応条件
希望する皆さんができるのではなく、検査でできるかを決定します。
- 軽度から中等度の近視(通常 -1.00D ~ -5.00D 程度)
- 角膜形状(カーブ)が42~45Dであること
- 角膜乱視がすくないこと(-1.50D 以下)
- オルソケラトロジーの違和感ががまんできること。ハードレンズなので違和感があります。
注意が必要な人
- 眼の乾燥やアレルギーのある人
- 睡眠時間が短い人(受験勉強などで夜遅くまで起きている人)→装用時間が短いと効果が十分でません。
- 規則的なレンズ装用が難しい人→毎日装用しないと効果がでません。
利点
- 日中に裸眼視力を得られる(スポーツや日常生活が快適)
- 子供の近視進行を抑制する可能性がある
- 手術を伴わない非侵襲的な方法
欠点
- 毎晩または定期的な装用が必要
- コストが高い(自費診療のためレンズ代、定期検査費用が高額です)
- 角膜感染症や炎症のリスク(不適切な管理や衛生状態が原因)
リスクと副作用
- 角膜感染症(細菌や真菌性の感染)
- 角膜上皮損傷(装用時の摩擦など)
- 夜間の光のにじみ(ハロー現象)
これらのリスクを軽減するために、適切なレンズケア、定期的な眼科検査、眼科医の指導が重要です。
オルソケラトロジーは、近視進行抑制を目的とした有効な選択肢の一つですが、専門医による適切な適応判断と管理が不可欠です。
もし検討されている場合は、まずは眼科医にしっかり相談しましょう!
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【監修】
神戸市東灘区御影中町1丁目6−9ウエダビル2,3階
森井眼科クリニック
院長 森井香織
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