JSCRS学会報告その2 老眼について|森井眼科クリニック|神戸市東灘区御影駅前

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    JSCRS学会報告その2 老眼について|森井眼科クリニック|神戸市東灘区御影駅前

    JSCRS学会報告その2 老眼について

    こんにちは!

    私も急に老眼が進み、近くが見えづらくなってきました。
    そんなとき、ちょうど今回の学会の特別講演で「老眼」の話題がありました。
    慶應義塾大学眼科学教室教授の根岸先生のお話です。

    老眼とは

    日本老視学会によりますと、老眼とは
    「加齢による調節幅の減退:Age-Related Loss of Accommodationすなわち、
    老視とは「見える範囲が狭くなった状態」のことを言う。」とされています。
    目の中のピントを調節する筋肉が弱ったり、水晶体が固くなったりすることで
    若い頃は遠くから近くまで見えていたものが、遠くしかみえなくなる=見える範囲が狭くなる
    という状態です。
    日本人であれば「老眼鏡かけたらええやん」なのですが
    実は世界の老眼人口18億人(2024年現在)のうち、約45%の8億人の方々は
    老眼鏡が手に入らず(紛争地域や低開発国など)、近くが見えない状態で生活しているそうです。
    近くが見えない障害で苦しむ方々がそんなにたくさんいるなんて、と衝撃を受けました。
    日本は100均ショップで安く老眼鏡が購入できますが
    それはとんでもなく幸せなことなんですね。

    ダイソーで販売されてる老眼鏡

    老眼の原因

    老眼の要因の一番は「加齢」です。つらい・・。
    ただ、他にも悪化させる要因があるとのことでした。
    ・ドライアイの女性
    ・緑内障
    があると早く老眼が進行するそうです。
    緑内障の点眼薬は、目の中の圧を下げるために使用します。
    その作用する部分が、目のピント調節をする毛様体にあたります。
    点眼薬が毛様体筋に作用して老視が早く進行するとのことです。
    しかし、緑内障の進行を抑えることのほうが重要なので、仕方がないです。

    老眼の対応

    老眼の対応にはいろいろ方法があります。

    初期のころには、近視のかたでメガネやコンタクトを使って遠くを見えるようにされている方は
    その度数を弱くして近くを見えやすくする、という方法があります。
    ただ、遠視の方や、老眼が進んでしまうと、やはり老眼鏡を使用する必要がでてきます。
    遠近メガネや、遠近コンタクトレンズなど、老眼を矯正する方法はいろいろあります。
    老眼と思っていても、他の病気のこともあり、一度眼科受診することが大切です。

    老眼の点眼

    アメリカでは老眼に対応する点眼というものが、FDAで認可、発売されています。
    vuityという点眼で2021年10月にFDAに認可された,老視(老眼)治療として初めての点眼薬です。
    新たに開発された最新の薬剤ではなく、瞳孔を縮めるピロカルピン点眼薬(1.25%)で,瞳孔を小さくしてピンホール効果で見える範囲を広げる、という薬剤です。
    副作用として近視化と暗黒感、頭痛があります。

    その副作用を軽くするために、ピロカルピン濃度を0.04%に更に薄くしたqulosiという点眼も最近認可されたそうです。海外でも老眼でみんな困っているようです。
    日本では認可されていませんので販売はできませんのであしからず・・・。

     

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    【監修】

    神戸市東灘区御影中町1丁目6−9ウエダビル2,3階
    森井眼科クリニック
    院長 森井香織
    →院長の紹介はこちら🐸!
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