緑内障|御影駅前の森井眼科クリニック|神戸市東灘区

〒658-0054兵庫県神戸市東灘区御影中町1丁目6-9ウエダビル2F・3F
TEL078-821-9477
WEB予約
  • インスタグラム
  • LINE
  • ヘッダー画像

    緑内障

    緑内障|御影駅前の森井眼科クリニック|神戸市東灘区

    当院の緑内障治療

    「必要に応じて点眼、MIGSからTLEまで タイミングを逃さない緑内障治療を行います」

    緑内障とは、眼圧が高くなることによって、視神経が圧迫・障害された結果、視野(見える範囲)が狭くなったり欠けたりする病気です。
    ただ、日本人には眼圧が正常範囲内の人でも、視神経に障害が生じることが多く「正常眼圧緑内障」と呼ばれています。
    緑内障の治療で現在エビデンスがあるものは「眼圧を低下させる」治療です。眼圧を低下させるために、まず点眼治療を行いますが、それでも眼圧が十分低下しない、眼圧が低下していても視野障害が進行する場合には手術治療が必要になります。昔は「失明する病気」と恐れられていましたが、現在は治療薬の数が増え、緑内障治療の選択肢も広がっています。早期から適切な治療を行うことにより、一生涯生活に支障のない視野を保つことも難しくない時代です。40歳を過ぎたら定期的に眼科検診を受けて、自覚症状が出る前の早期のうちに発見し、適切な治療を受けましょう。

    正常な眼

    緑内障の眼

    緑内障について

    緑内障の種類

    緑内障は大きく開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障に分類されます。当院では隅角鏡検査に加えて、前眼部OCTも用いて定量的に検査します。

    開放隅角緑内障

    房水の流出路である隅角の線維柱帯が徐々に目詰まりを起こし、うまく房水が流出されないために眼圧が上昇、視神経が圧迫され、視神経に障害が生じる緑内障です。その中で、眼圧が正常範囲(10~21mmHg)にありながら、視神経が障害されるタイプを「正常眼圧緑内障」といいます。このタイプは日本人で非常に多いことが知られています。正常眼圧でも眼圧をより低下させることが治療となります。

    視神経の欠損と一致した視野欠損

    視神経(OCT解析)

    視神経(OCT解析)

    静的視野検査

    静的視野検査

    閉塞隅角緑内障

    閉塞隅角緑内障

    もともと、あるいは白内障の進行で水晶体が膨化し、隅角が狭くなっている緑内障です。
    隅角が閉塞していることで、房水がうまく排出されず、眼圧が上昇して視神経が障害されます。
    急速に隅角が完全に閉じてしまい、著しい眼圧上昇をきたすことがあります。これを急性緑内障発作といい、隅角が先天的に狭い方に起こりやすく、眼痛や頭痛、吐き気などの激しい自覚症状が現れます。この場合、直ちに治療を行わないと失明する可能性がありますので、速やかに眼科を受診してください。

    続発緑内障(ぞくはつりょくないしょう)

    準備中

    ほかの目の病気や、ステロイド剤などの薬剤によって眼圧上昇が起こるのが続発緑内障です。点眼薬で眼圧を下げるだけでなく、原疾患にも正しく対処することが必要です。

    緑内障の検査

    眼圧検査、隅角検査、視野検査、眼底検査などから総合的に診断します。また継続して検査を行い、治療効果の判定を行います。

    1.眼圧検査前眼部OCT CASIA2(TOMEY)

    眼球の眼圧(硬さ)を調べます。

    眼圧の測定値は角膜の厚さによって影響を受けるため、緑内障の方で、眼圧が低いにも関わらず緑内障が進行するような方は、正確な眼圧を得るためには角膜厚補正が必要になる場合があります。当院では前眼部OCT CASIA2を用いて、角膜厚を正確に測定することができます。

    角膜が厚い場合:角膜が通常よりも厚いと、眼圧測定値が実際よりも高く出ることがあります。これは、厚い角膜がトノメーター(眼圧計)の圧力に対してより抵抗を示すためです。
    角膜が薄い場合:逆に、角膜が薄いと、眼圧測定値が実際よりも低く出ることがあります。

    「眼圧の角膜厚補正」は、角膜の厚さに応じて眼圧測定値を調整する方法です。
    1.角膜厚の測定:CASIA2で角膜の中央部分の厚さを測定します。
    2.補正の計算:測定された角膜厚に基づいて、補正式を用いて眼圧を補正します。

    2.隅角検査隅角検査

    隅角は房水が流出する部位で、隅角の状態を調べることで、開放隅角緑内障か閉塞隅角緑内障かを判断します。当院では隅角鏡だけではなく、前眼部OCT(CASIA2)を用いて、隅角全周の開放、閉塞状態を撮影、正確に隅角の状態を計測、評価します。

    3.光干渉断層計(OCT)光干渉断層計(OCT)

    視神経乳頭の陥凹や視神経の厚みを測定する検査です。
    早期の緑内障をスクリーニングする際にも行います。

    3次元眼底像撮影装置3D OCT-1 Maestro

    網膜・視神経の断層撮影を行う機器です。
    緑内障や黄斑部疾患等の診断に役立つ、基本的な解析アプリケーションを搭載しておりあらゆる疾患に対応します。

    4.視野検査ゴールドマン視野系MT-325UD

    ゴールドマン視野系MT-325UD静的視野系HFAt0503

    静的視野系HFAt0503

    視野の欠損(見えない範囲)を確認する検査です。視神経の障害に伴い、視野欠損が徐々に進行します。定期的に視野検査を行い、緑内障の進行程度を確認、治療の評価を行います。

    緑内障の手術

    MIGSとは

    MIGSとは低侵襲緑内障手術(MIGS:microinvasivegulaucomasurgery)という眼への負担の少ない緑内障手術のことです。

    現時点で、当院で施行しているMIGSの手術は以下の2つです。

    1. iStent inject W
    2. フックロトミー
    3. プリザーフロ マイクロシャント 緑内障ドレナージシステム

    いずれも線維柱帯の抵抗を下げることによって、眼圧の下降を図ります。

    線維柱帯とは、目の中の排水溝のような所です。眼の中で作成緑内障の方は、線維柱帯の抵抗が大きくなり、目の中の水の排出が悪くなるため眼圧が上がりやすくなります。例えば、洗面所やお風呂場の排水溝に髪の毛やゴミが詰まっていると、排水の流れが悪くなるのと同じようなことです。排水溝をお掃除してあげたら、再び排水がスムーズになります。そのようなイメージです。
    短時間で済みますしローリスクで施行出来ます。勿論、日帰りで全く問題ありません。ただし、これらの手術が登場したから、従来の手術は必要ないわけではありません。現時点のMIGSはあくまでも、ローリスクですが、ローからミドルリターンの手術です。かなり視野障害が進行した方や、一回の手術で大きく眼圧を下げなければならない患者様には、ハイリターンを期待できる線維柱帯切除術という手術が必要となります。あくまでも早期~中期の緑内障の方に適応となる手術です。

    とは言え、緑内障治療に新たな選択肢が出来たことは素晴らしい事だと思います。緑内障の点眼加療は、いわば人生の最後まで点眼を続けることを意味します。元気なうちは良いですが、ひょっとしたら足腰が不自由になって眼科に通院できなくなったり、認知症を発症し、正しく目薬をさせなくなってしまう可能性も当然あります。

    緑内障の方が早期にこれらの手術を施行することによって、必要な緑内障点眼薬の種類が少なくなったり、眼圧が下がって、点眼薬をささなくても十分に視野を守れる眼圧になる可能性もあります。

    手術は欠損してしまった視野を戻す治療ではありません。現状よりも進行しないよう、より眼圧を抑える治療です。手術介入のタイミングは非常に重要になります。眼圧、視野の検査を定期的に行い、必要な場合は手術に踏み切ることが必要です。
    手術には第一段階から第3段階まで状態に応じて選択します。当院では第一段階の手術を日帰りで行っています。第二段階以降の手術は入院での治療が原則となります。

    1

    第一段階

    iStent injectW

    第一段階

    ステントという言葉は聞いたことがあるでしょうか?ステントとは金属製の筒のことです。特に、心筋梗塞の治療の際に使われるステントが有名です。この場合は、細くなっている心臓の血管にステントを挿入し、拡張させることによって、心臓の血管を広げ血流の通りが良くなるようにします。

    MIGSで使用するステントは、線維柱帯に挿入し、目の中の水(房水)が排出される手助けをしてくれます。図示すると次のようになります。
    では、実際のiStentってどのくらいの大きさかと言いますと・・。

    iStent injectW

    こんな大きさです。指の上に微妙に見えているゴミのような物体が実際のiStentになります。
    拡大するとこのような構造になっております。

    第一段階

    この小さなステントを特殊な器具を用いて線維柱帯に留置します。
    実際に線維柱帯に挿入した術後の写真がこれです。

    この手術は白内障手術と同時にする手術になります。手術時間はフックを用いた手術と同様に5~10分(+白内障手術に要する時間)です。

    合併症は、やはり出血になりますが、フックを用いた線維柱帯切開術に比べると、はるかに頻度は低くなります。

    Stent手術は、iStent認定講習や手術研修などののち認定されたiStent認定医のみが手術を行うことができます。
    当院院長はiStent認定医であり、多くの手術経験の他、学会でも講演を行っております。

    • iStent認定書
      iStent認定書

    フックロトミー

    フックロトミーとは?

    マイクロフック

    フックロトミーは、緑内障の治療として行われる手術の一つで、目の中の房水(ぼうすい)の流れを改善することで眼圧を下げる手術です。房水は目の中を循環している液体で、この流れが悪くなると眼圧が上がり、視神経にダメージを与えてしまいます。フックロトミーでは、房水の出口にあたる「シュレム管」という部分を専用の器具(フック)で開放し、房水の流れをスムーズにします。

    フックロトミーの特徴

    眼圧を下げる効果が期待できる

    フックロトミーにより房水の排出が改善され、眼圧をコントロールしやすくなります。

    比較的低侵襲な手術

    手術の傷口が小さく、体への負担が少ないのが特徴です。

    白内障手術と同時に行うことも可能

    白内障手術と組み合わせることで、視力の改善と眼圧コントロールの両方を同時に行えるケースもあります。

    手術の流れ

    1. 点眼麻酔または局所麻酔で痛みを軽減します
    2. 小さな切開を行い、特殊な器具でシュレム管を切開、開放します

      フックロトミーフックロトミー2
    3. 必要に応じて創口を閉じて終了します(5分程度の手術です)

    術後について

    • 術後しばらくは出血が起こり、みえにくくなります。出血が多い場合は洗浄が必要なこともあります
    • 眼圧の下がり具合には個人差があります
    • 緑内障点眼薬は術後も継続が必要で、不要になることはありません

    2

    第2段階

    プリザーブフローマイクロシャント

    プリザーブフローマイクロシャントとは?

    プリザーブフローマイクロシャント

    プリザーブフローマイクロシャントは、眼圧を下げるために人工の小さな管(マイクロシャント)を目に挿入する新しいタイプの緑内障手術です。このマイクロシャントは、目の中の房水(ぼうすい)を目の外側に誘導することで、眼圧を効果的に下げる仕組みになっています。
    手術に使用される「Preserflo MicroShunt(プリザーブフロー)」は、柔軟性と生体適合性の高い素材で作られており、目の中で長期間安定して機能することが期待されます。

    プリザーブフローマイクロシャント

    プリザーブフローマイクロシャントの特徴

    眼圧をしっかり下げる効果

    薬剤でコントロールが難しい方やiStent,フックロトミーで眼圧下降が不十分な方に次の選択肢として行います。

    手術の負担が少ない

    結膜や強膜(白目部分)への侵襲が比較的少なく、術後の回復も早いとされています。

    従来の緑内障手術(トラベクレクトミーなど)に比べて合併症が少ない傾向

    傷口が小さいため、術後のトラブルが少ないと報告されています。

    手術の流れ

    1. 点眼麻酔または局所麻酔を行います
    2. 白目の下(結膜と強膜)に小さな切開を加え、マイクロシャントを挿入します
    3. 房水がシャントを通って自然に外へ流れるようになります
    4. 創口を閉じて終了します(手術時間は約30〜40分程度です)

    術後について

    • 術後、出血が生じて一時的に見えにくくなることがあります
    • 手術後しばらくは眼圧の変動に注意が必要です
    • 稀に再手術や調整処置が必要となる場合があります

    3

    第3段階

    トラベクレクトミー・プレート型インプラント挿入術

    緑内障手術「バルベルト手術」について

    〜難治性緑内障にも対応した最新のインプラント手術〜
    当院ではプレート型インプラント手術として、バルベルト手術を行っています。

    バルベルト手術とは?

    バルベルト

    バルベルト手術(正式名称:バルベルトインプラント挿入術)は、眼内の房水(ぼうすい)の排出路として人工のインプラント(管とプレートの装置)を挿入する緑内障手術です。
    特に、これまでの手術や点眼薬では眼圧のコントロールが難しい「難治性緑内障」に対して行われることが多い手術です。
    使用される「バルベルトインプラント」は、柔らかく生体適合性に優れたシリコン製で、目の中の房水を目の外側へ安全に導く構造になっています。

    バルベルト手術の特徴

    高い眼圧下降効果

    従来の手術で十分な効果が得られなかった場合にも、安定した眼圧コントロールが期待できます。

    難治性緑内障に対応可能

    ぶどう膜炎後の緑内障、糖尿病からの新生血管緑内障、外傷性緑内障、チューブシャント再手術など、複雑な症例にも適応があります。

    長期的な安定性

    インプラントは目の中に留置されたまま機能し続け、長期間にわたる眼圧管理が可能です。

    手術の流れ

    1. 点眼または局所麻酔を行います
    2. 眼球の外側にバルベルトインプラントを挿入します
    3. 房水がこの装置を通って外へ排出されるようになります
    4. インプラントを周囲の組織で覆い、創口を閉じて終了します(手術時間は約30分)

    術後について

    • 術後は一時的に眼圧の変動があるため、定期的な診察が必要です
    • 点眼薬の継続や治療も必要なこともあります
    • 稀に結膜の癒着やチューブの位置調整が必要となる場合もあります

    このような方に適しています

    • 点眼薬や他の手術で眼圧が十分に下がらない方
    • 再発性・難治性の緑内障をお持ちの方
    • 長期的に眼圧を安定させたいとお考えの方

    当院では、最新の緑内障手術を導入しています。

    当院では、患者さまの緑内障の種類や進行具合に応じて、iStent、フックロトミー、プリザーブフローマイクロシャント、バルベルト手術など、最新の緑内障手術に幅広く対応しています。
    大学病院レベルの手術水準を地域でも安心して受けていただけるよう、設備・技術の両面で万全の体制を整えております。

    まずはお気軽にご相談ください。しっかりと診察を行い、最適な治療法をご提案いたします。